「相続した土地を国が引き取ってくれるって聞いたんだけど・・・」
先日お客さんよりお尋ねがありました。
最近相続した不動産を「要らない」「放棄したい」というご相談が非常に増えました。
土地は持っていたら必ず価値があがると言われていた時代がなつかしい。今や、「負動産」などと負の遺産扱いの呼称まで登場して、土地を残してくれたご先祖に申し訳なく感じる場面もあります。しかし、実際管理が大変で固定資産税の負担もあり、遠すぎて半永久放置せざるを得ないという場合、国に引き取ってもらえないか、というのは皆さん共通で思いつかれるようです。
望まれた制度が出来ました。「相続土地国庫帰属制度」です。
所有者不明土地の解消に向けて様々な法律が出来ていますが、その中の一つで、令和5年4月27日からスタートします。
どんな土地でも引き取ってくれるわけではなく、境界がはっきりしている、地上建物が無い、土壌汚染されていないこと、など諸条件があります。さらに、無料で引き取ってもらえるわけではなく、土地の管理費用10年分相当を負担金として納めなければいけません。負担金額の算定方法を定めた政令が、令和4年9月29日に公布されました。地目や面積によりますが、原則20万円~。負担金以外にも、制度を利用するための申請手続きの費用も必要です。トータル30~50万円程度かかるかもしれません。これを高すぎると思うか、それで放棄できるならぜひ利用したいと思うか・・・人それぞれかと思います。
この制度が実際どれくらい有効活用できるかは、制度が開始して申請してみないとまだまだわかりません。有効な制度になることを期待したいです。
相続土地国庫帰属制度詳細はこちら(法務省)